日本各地には、その土地で生まれ、世代を超えて親しまれてきたお菓子があります。時代が変わっても作り続けられてきた味には、それぞれの土地の歴史や、店を守る人たちの思いが息づいています。
ここでは、地方で100年以上続く老舗のお菓子を6つ紹介します。
広島で154年愛されている「大和屋本店」の『ブランデーケーキ』

広島県福山市で明治5年に創業した「大和屋本店」。150年以上続く和菓子店で、約45年前から作られているのが『ブランデーケーキ』です。
職人が焼き上げたパウンドケーキに、VSOPのブランデーを使ったシロップを1本ずつハケで塗り重ねます。その後、地下の専用室で約1か月熟成。口に入れるとじゅわりと広がる芳醇な香りと、しっとりとした食感は、時間をかけた手仕事から生まれます。
和菓子作りで培った技を生かしながら、新しい味も育ててきた老舗の一品です。

京都で107年変わらず「総本家 大茶萬」が作り続けるの『元祖茶だんご』
引用元:総本家 大茶萬
大正8年創業の「総本家 大茶萬」が、3年の試行錯誤を経て生み出した『元祖 茶だんご』。宇治の名産である抹茶を生かしたいという思いから生まれ、100年以上作り続けられています。
今も職人が生地を手で練り、その日の気候に合わせて水加減を調整。茶だんご専用に調合した京都府産の石臼挽き抹茶を使い、もちっとした弾力と豊かなお茶の香りに仕上げています。
米粉・砂糖・抹茶というシンプルな素材から生まれる味わいに、茶どころ・宇治で受け継がれてきた手仕事を感じられる一品です。

345年続く長崎の老舗「松翁軒」の『カステラ』
引用元:松翁軒
天和元年(1681年)創業の「松翁軒」は、長崎で340年以上菓子づくりを続ける老舗です。受け継がれてきた『カステラ』は、熟練の職人が一枚ずつ手焼きしています。
生地づくりから焼き上げまで同じ職人が担当し、その日の気候や生地の状態を見ながら火加減を調整。カステラ専用に配合された小麦粉や島原半島産の卵を使い、しっとりとやわらかく仕上げています。
底に残るザラメのシャリッとした食感も楽しみのひとつ。長崎の菓子文化と職人の技が、一切れに詰まっています。

159年愛媛で親しまれた「山田屋」の『山田屋まんじゅう』
引用元:山田屋まんじゅう
愛媛県西予市宇和町で慶応3年に創業した「山田屋まんじゅう」。代表銘菓の『山田屋まんじゅう』は、一人の巡礼から教わったと伝わる製法を、代々の当主が一子相伝で受け継いできました。
一つわずか22g。北海道産の小豆で作ったこし餡を、透き通るような薄皮で包んでいます。口に入れると皮と餡がなじみ、なめらかな口当たりと上品な甘さが広がります。
約160年にわたり一つのまんじゅうを作り続けてきた、愛媛の老舗ならではの味です。

142年の歴史とともに味わいたい長野の老舗「開運堂」の『白鳥の湖』
引用元:開運堂
明治17年(1884年)創業、長野県松本市の「開運堂」が作る『白鳥の湖』。スペイン生まれの焼き菓子・ポルポローネをもとにした、落雁にも似た口どけのソフトクッキーです。
一枚ずつに白鳥の姿が型押しされ、個包装にも細やかな気配りが感じられます。口に入れるとほろりとほどけ、シナモンの香りがふわり。見た目の愛らしさと繊細な食感をあわせて楽しめる、松本の老舗の人気菓子です。

260年の歴史を誇る富山の老舗「薄氷本舗 五郎丸屋」が作る『きせつのさがしもの』
引用元:五郎丸屋オンラインショップ
富山県小矢部市で260年以上続く「薄氷本舗 五郎丸屋」。『きせつのさがしもの(秋色)』は、16代目が硝子造形作家・山本真衣さんの作品「Breeze」に着想を得て生み出した琥珀糖です。
桐箱に並ぶ9つの菓子は、ガラスを思わせる形と、秋のカクテルで表現した繊細な色合いが魅力。見る角度によってきらめき、時間とともに透明な表面が少しずつ白く変化します。
どれから味わおうかと選ぶ時間も楽しい、老舗の新しい発想から生まれた逸品です。

本記事のライター Profile
赤川 亜紀子

元薬剤師。薬剤師として22年間勤務し、腸活歴は25年。体にいいことをあれこれ試すのが好きな健康オタクです。
その一方で、おいしいものとお酒も大好き。「健康のために我慢する」のではなく、おいしいものを楽しみながら健やかに暮らすことを大切にしています。
現在はライターとして、SEO記事やインタビュー記事、Webサイト・LPなど幅広く執筆。味はもちろん、素材や作り手のこだわりにも注目しながら、「本当においしい」と思えるスイーツをご紹介します。