長野県松本市で140余年にわたり菓子づくりを続けてきた老舗「開運堂」。
その代表的なお菓子のひとつが、白鳥をかたどった『白鳥の湖』です。スペインの修道院で考案されたとされるポルポローネをもとにしたソフトクッキーで、落雁にも似たほろりとほどける口どけと、シナモンの風味が楽しめます。
松本のおみやげとしても親しまれている、愛らしい姿と繊細な食べ心地をあわせ持つ一品です。
スペイン生まれの「幸せを呼ぶ魔法のお菓子」
引用元:開運堂
信州・松本には、何かにつけて茶菓を口にする習慣があるといわれています。
乾燥する気候のもと、お茶と一緒に楽しむお菓子が暮らしの中に根づき、長く親しまれてきました。
そんな松本で140余年にわたり菓子づくりを続けてきた開運堂の『白鳥の湖』は、日々のお茶の時間にもなじむソフトクッキーです。
白鳥をかたどった可愛らしい姿に、一枚ずつ丁寧に包まれた個包装、白鳥のアイコンシールまで細やかな工夫が施されています。口に入れると、やさしい甘さにシナモンの風味がふわりと重なり、一般的なクッキーとは少し違う、軽やかな口どけを楽しめます。
お茶やコーヒーのおともにはもちろん、松本を訪れたときのおみやげとしても親しまれてきました。味わいだけでなく、見た目の可愛らしさや一枚ずつ包まれた丁寧なつくりまで楽しめるのも、このお菓子が長く愛されている理由のひとつです。
スペインの修道院で生まれたソフトクッキー
引用元:開運堂
『白鳥の湖』のもとになっているポルポローネは、スペインの修道院にルーツを持つとされる伝統的な焼き菓子です。ポルボロンとも呼ばれ、口に入れるとほろほろと崩れていく、一般的なクッキーとは異なる繊細な口どけが特徴です。
さらに、独特の製法や名前の由来、幸せにまつわる言い伝えなど、味わい以外にも興味深い背景があります。そんなポルポローネの特徴を詳しく紹介します。
小麦粉をローストすることによって生まれる口どけ
ポルポローネの特徴として知られているのが、生地を作る前に小麦粉をローストする製法です。
小麦粉にひと手間加えることで、一般的なクッキーとは異なる、ほろほろと崩れるような口どけにつながっています。フランスのブールドネージュやスノーボールのような焼き菓子と見た目が似ていても、粉を加熱して作るポルポローネは、よりほどけるような食感が持ち味です。
口に入れた瞬間にすっと崩れていくような軽やかさが、この伝統菓子ならではの食べ心地につながっています。『白鳥の湖』の繊細な口どけを知るうえでも、こうしたポルポローネの特徴は見逃せません。
卵を使わない繊細なクッキー
『白鳥の湖』には、小麦粉や砂糖、はちみつなどが使われており、卵は使われていません。
やさしい甘さにシナモンの風味が重なり、軽やかな味わいを楽しめます。また、開運堂では商品の特質上、非常にやわらかく、こわれやすいソフトクッキーと案内しています。
持ち運びの際には丁寧に扱う必要がありますが、卵をつなぎに使わないことも、口に入れるとほろりとほどけていく、独特の口どけにつながるのでしょう。
修道院生まれらしい願いが叶うおまじない
ポルポローネには、口の中で崩れてしまう前に「ポルボロン、ポルボロン、ポルボロン」と3回唱えることができれば、幸せになり、願いが叶うという言い伝えがあります。
修道院では、祈りと労働をささげる生活の中で菓子づくりが行われており、ポルポローネにもそうした修道院菓子ならではの背景があります。
名前は、ほこりや粉を意味するスペイン語「polvo」に由来するとされ、粉のようにほろほろと崩れる食感を表しています。3回唱え終わる前に口の中でほどけてしまいそうなところも、このお菓子ならではの楽しい言い伝えです。
松本で140年以上続く「開運堂」の菓子作り
引用元:開運堂
開運堂は明治17年、1884年に呉服商から菓子業へ転じて以来、信州・松本で菓子づくりを続けてきました。和菓子だけでなく洋菓子も手がけ、長い歴史の中で時代に合わせた商品を生み出しています。
さらに製造環境や衛生管理にも目を向け、伝統の味を支える基盤も整えています。『白鳥の湖』も、こうした老舗の歩みの中から生まれた洋菓子のひとつです。
HACCP規格対応という老舗の取り組み
開運堂は2005年から、HACCP規格対応の製菓工場で菓子を製造しています。
HACCPとは、食品の製造工程で起こり得る危害を分析し、重要な工程を管理することで食品の安全性を確保する衛生管理の仕組みです。
開運堂では原材料の入荷から製造・商品出荷まで衛生管理を行い、安全性の確保に努めています。
140年以上の歴史を持つ老舗でありながら、昔ながらの味を守るだけでなく、現在の食品製造に求められる衛生管理にも取り組んでいるところに、長く菓子づくりを続ける姿勢が表れています。
信州・安曇野という恵まれた環境での菓子作り
開運堂の「あづみの菓遊庭」は、安曇野市三郷の自然豊かな場所にあります。
北アルプスの麓に広がる田園風景の中からは常念岳を望むことができ、四季の変化も身近に感じられる環境です。和洋菓子の販売店に加えて製菓工場も併設され、工場内には中庭も設けられています。
良い水と澄んだ空気に恵まれた安曇野で、自然を感じながらお菓子づくりが続けられています。
洋菓子作りの歴史も60年以上という老舗の味
開運堂が洋菓子を手がけ始めたのは1959年で、同年に洋菓子部「パリの五月」を開設しました。
現在もフレッシュケーキやドライケーキ・クッキー・チョコレート類など、幅広い洋菓子を取り扱っています。和菓子を中心に歩んできた開運堂ですが、60年以上にわたって洋菓子づくりにも取り組み、現在の多彩な商品展開へとつながっています。
『白鳥の湖』も、長年にわたる洋菓子づくりの積み重ねから生まれた商品です。
可愛いデザインでメディア掲載も多い人気商品
引用元:開運堂
『白鳥の湖』が親しまれているのは、独特の味わいだけが理由ではありません。
白鳥をかたどった型押しや一枚ずつ包まれた個包装、白鳥のアイコンシールなど、手に取った瞬間から楽しめるデザインも魅力です。
開運堂の商品ページでは「おみやげNO.1商品」「お取り寄せ人気ナンバーワン商品」と記載されているほか、数多くの雑誌に掲載されたことも紹介されています。味わいと見た目の両方から親しまれている、松本を代表する洋菓子のひとつです。
落雁にも似た柔らかな口どけのクッキー『白鳥の湖』
『白鳥の湖』は、落雁にも似た柔らかな口どけを持つソフトクッキーです。
口に入れると生地がほろりとほどけ、やさしい甘さとシナモンの風味が広がります。原材料には小麦粉、砂糖、はちみつ、シナモンなどが使われており、素材の組み合わせもこの繊細な味わいを支えています。
洋菓子でありながら落雁を思わせる食べ心地を持つため、洋菓子だけでなく和菓子にも親しみがある人にもなじみやすい一品です。和菓子を140年以上作り続ける「開運堂」ならではの、一般的なクッキーとは異なる口どけが、ほかにはない個性につながっています。
可愛いデザインと優しい味わいで女性の人気を集める一品
白鳥をかたどった型押しは、商品名から受けるイメージをそのまま表したような可愛らしさがあります。
さらに、一枚ずつ丁寧に包まれた個包装には白鳥のアイコンシールが使われ、包みを開けるところまでデザインが統一されています。
淡い雰囲気の可愛らしさがありながら、派手になりすぎないため、手土産や贈り物にも取り入れやすいところが特徴です。『白鳥の湖』は若い女性から支持を集め、多くの雑誌に掲載された商品としても紹介されています。
40種類にもおよぶ熨斗に対応可能
贈答用に用意する場合は、熨斗やリボン掛けなどにも対応しています。
40種類にもおよぶ熨斗から用途に合わせて選ぶことができ、婚礼向けの「寿」や法事向けなど、さまざまな場面に合わせやすくなっています。
熨斗の名入れにも対応しているほか、おしゃれなブルーのリボンを掛けることも可能です。格式を重んじる贈答から、親しい人へのちょっとしたプレゼントまで、相手やシーンに合わせて包装を選べるのも便利なところです。
ほろほろと口の中でほどけるクッキー『白鳥の湖』
引用元:開運堂
長く愛されてきた『白鳥の湖』には、ひと口ごとの食べ心地だけではなく、松本で育まれた菓子文化や、開運堂が積み重ねてきたものづくりの姿勢も感じられます。
伝統的なポルポローネをもとにしながら、松本の人々の暮らしになじむお菓子として親しまれてきたことも、長く愛されてきた背景です。
かわいらしい見た目に惹かれて手に取り、実際に味わうことで独特の口どけを知る。その一連の楽しさが、一度食べると印象に残る理由なのかもしれません。
自分で楽しむお菓子としてはもちろん、松本を訪れた際の手土産や、気持ちを添えて贈る品を探しているときにも選びやすいでしょう。
老舗ならではの歴史と親しみやすさをあわせ持つ『白鳥の湖』は、味わうほどに、長く親しまれてきた理由が感じられるお菓子です。
※この記事に掲載されている情報は、2026年9月時点の情報です。
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本日のライターProfile
川田 麻実

食について15年以上学び、出産を機に栄養の大切さを実感し、栄養士として8年活動しています。これまで栄養学・幼児食・オーガニック・フードコーディネートなど、さまざまな視点から食を学んできました。
素材や品質にこだわった食品を見つけ、その魅力を伝えることが好きです。こどもの栄養相談や食育イベントの開催、食・子育てWebメディアでの執筆を経験。専門知識と暮らし目線の両方から商品の魅力を分かりやすく伝え、「食べておいしい、知ってうれしい」そんな良いものとの出会いを届けることを大切にしています。
本記事の監修者

監修者・パティシエ
伊東福子
兵庫県芦屋市「ポッシュ・ドゥ・レーヴ芦屋」オーナーシェフパティシエール。神戸海星女子学院大学卒業後、フランス・リッツエスコフィエへ短期留学。代官山ル・コルドンブルー東京校で製菓ディプロムを取得し、パレスホテル東京などで研鑽。「ジャパンケーキショー東京」連合会会長賞受賞。素材の個性を活かした繊細で驚きのある菓子づくりに定評があり、近年はグルテンフリーなどライフスタイルに寄り添うスイーツにも注力。日常にやさしい余韻を届けている。

ガイド・パティシエ
勝目響日
辻製菓専門学校を卒業後、五つ星ホテルやイタリア伝統菓子店、海外のホテルやカフェで腕を磨く。約100年の歴史を持つ鎌倉の老舗企業でも勤務し、日本文化への感性も大切にしている。日本とヨーロッパの技術を基盤に、現在はオーストラリアを拠点に新たな表現を追求中。

いいモノ.com編集部・スイーツ担当
ライター・カメラマン・フードスタイリスト
浅井宏美
大学院卒業後、タウン情報誌の編集者として約16年間勤務。“毎日の生活をちょっと楽しく”をテーマに、地域のグルメやイベント、スポーツ、カルチャー等の情報発信に携わる。通販事業にも関わり、地域の生産者や作り手の想いを商品とともに全国に届ける仕事も手がける。その経験を活かし、現在はフリーランスのエディター・ライター・カメラマン・フードスタイリストとして活動中。趣味はカメラ、お出かけ。愛機はNikon Z6で「そのとき・その場所で」しか撮れない写真を撮ることが好き。





