曲げわっぱの魅力は見た目はもちろんのこと、入れるだけでお米は美味しくなるといったいいことがたくさんあります。お手入れが難しいイメージもある曲げわっぱですが、お手入れ方法さえ覚えれば、大丈夫! 長く使うことのできる相棒のようなお弁当箱になりますよ。今回は曲げわっぱの魅力や種類、お手入れ方法などを詳しくご紹介していきます。
大館曲げわっぱとは?
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曲げわっぱとは、スギやヒノキなどの薄い板を特殊な技法で曲げて作った器のことです。日本各地で工芸品として作られていますが、その中でも今回は日本で唯一、国の伝統工芸品として認められている「大館曲げわっぱ」についてご紹介をします。
大館曲げわっぱは、日本有数の銘木とも知られる秋田杉を使用して作られています。江戸時代から受け継ぐ技法はいまでも変えず、職人の手によって手間を惜しまず、一つひとつ丁寧に作られています。秋田杉の木のやさしいぬくもりと職人の丁寧さを感じることのできる大館曲げわっぱ。一つ持っていれば、きっとお弁当の時間がいつもより楽しくなり、お腹も心も満たされますよ!
人気の理由とは?曲げわっぱの魅力を分析
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1.ごはんが冷めても美味しい
曲げわっぱの特徴としてよく知られているのが、ごはんが美味しくなるということです。
お弁当箱に入れるだけで、ごはんが美味しくなるって本当?と思うかもしれませんが、これは木のもつ「吸湿性」のおかげです。
木がごはんの水分を適度に吸収し、逆にごはんが乾いてしまったときは木が含んだ水分を戻してくれます。そのため、ごはんが冷めてしまってもふっくらと柔らかく、美味しく食べることができます。また、スギなどは殺菌効果もあるため、夏場などでも傷みにくいといった優れた効果をもっているのも魅力の一つです。
選ぶときの注意点として、ウレタン樹脂塗装のものは吸湿性などはないので、木の特性を生かした曲げわっぱを選びたいときは、白木か漆塗りのものを選ぶようにしてください。
2.お弁当が美味しそうに見える
最近はSNSでお弁当の投稿を見かける機会が多いですよね。その中でも人気なのが、曲げわっぱに詰めているお弁当。
曲げわっぱの定番である小判型のかわいらしいフォルムはもちろんのこと、木の自然な色や木目がお弁当の中身を引き立たせ、美味しそうに見せてくれます。普段使いのお弁当を曲げわっぱに替えるだけでお弁当のクオリティーがぐっと上がります。木のぬくもりも感じることができ、食べる前に目で楽しむことができるのは嬉しいですね。
3.軽くて、長持ち
木でできている曲げわっぱ弁当箱はとても軽いので、毎日の持ち運びにもぴったりです。また、お手入れ方法のポイントさえつかめば、プラスチックのお弁当箱よりも長く使うことができ、使えば使うほど味わいがでてきます。
お値段は少し高めになりますが、長く使えることもできるので、きっと値段以上の満足度を得ることができますよ。
ライフスタイルに合わせた曲げわっぱの選び方
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曲げわっぱは形や木の素材などいろいろな種類があります。なかでも塗装の仕方によって、「白木」「漆塗り」「ウレタン塗装」の3つの種類があるので、それぞれのメリットやデメリットをご紹介していきます。あなたのライフスタイルに合った曲げわっぱをぜひ選んでくださいね。
1.曲げわっぱ本来の特徴を最大限生かす「白木(無塗装)」
曲げわっぱをイメージするとこの白木のものを思い浮かべる方が多いかもしれません。白木とは、塗装されていない皮を削ったままの木のことで、木本来の色合いや香り、ぬくもりを感じることができます。また塗装をしていないため、曲げわっぱの特徴である吸湿性が最も高いので、お米の美味しさを重視したい方におすすめですよ。
ただ、油やソースなどを使ったおかずを直接入れるとシミになりやすいので、おかずの選び方や詰め方に気をつける必要があります。詰めるときはおかずカップに入れたり、ごはんの上に盛り付けるといったシミができにくい工夫をしましょう。
ほかにも、洗剤が使えないことやしっかり乾燥させないと黒ずみができてしまうといった、お手入れでも少し手間がかかってしまいますが、きちんとお手入れをすれば経年変化を楽しむこともできます。
2.使いやすく、高級感のある「漆塗り」
漆塗りしてある曲げわっぱは、白木と比べると吸湿性は多少失われてしまいますが、油物のシミの心配がないので油やソースを使ったおかずを入れても大丈夫! おかず選びや詰め方を気にしなくていいのに加え、洗剤を使って洗うことができるので、お手入れもしやすいですよ。
漆が塗ってあるため、耐久性にも優れるので、長く大切に使いたい方におすすめです。ほかの曲げわっぱとは異なった高級感のある見た目も魅力の一つですね。
3.曲げわっぱが初めての方でも手軽で使いやすい「ウレタン塗装」
ウレタン塗装の曲げわっぱは、木地の表面を樹脂でコーティングしています。漆塗り同様、シミを気にせず揚げ物などを入れることができ、使用後は洗剤で洗えるので、手軽に使うことができます。
ただ、ほかの2つと比べると吸湿性や抗菌作用があまりないので、曲げわっぱの魅力である「ごはんが美味しくなる」はあまり期待できません。お値段はほかの2つの塗装の曲げわっぱと比べるとリーズナブルなものが多いので、曲げわっぱの木のぬくもりを感じたい方やお手入れにあまり自信がないという初めて使う方にはおすすめです。
4.自分にあったサイズ選びを
曲げわっぱといっても形も大きさもさまざま…。どのくらいの大きさのものがいいのか分からない方のために、サイズの目安をご紹介します。
・250ml~ 子ども用(お茶碗半分くらいのごはんとおかず)
・500ml~ 女性用(お茶碗約1杯のごはんとおかず)
・700ml~ 男性用(お茶碗約1.5杯のごはんとおかず)
もちろん個人差があるので、一概にはいえませんが、購入を検討中の方はぜひ目安として参考にしてみてくださいね。
おすすめの大館曲げわっぱをご紹介
国産の老舗ブランドのものから、手軽な価格で手に入るものまでさまざまな曲げわっぱがあります。今回は唯一、国の伝統工芸品として認められている「大館曲げわっぱ」の曲げわっぱに絞って、おすすめをご紹介します。
1.柴田慶信商店
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「柴田慶信商店」定番の白木弁当箱。無塗装の白木仕上げなので吸湿性・通気性が優れています。天然杉のほのかな香りにより、美味しさがより一層引き立ちます。
なじみのあるふくよかな小判型のお弁当箱は、大・中・小の3サイズ展開。用途に合わせて選べるのも嬉しいですね。
商品名:小判弁当箱(小)
価格:9,900円(税込)
容量:約400ml
サイズ:160×102×55mm
2.栗久
引用HP:https://www.kurikyu.jp/_src/60775676/img20211013140043027210.webp?v=1649035692075
グッドデザイン賞を受賞した「栗久」の曲げわっぱ弁当箱。ごはん入れとおかず入れの2段に分かれており、ごはん入れは白木、おかず入れはウレタン塗装してあるので、ごはんは美味しく、おかずは油物を気にせず入れることができる、まさにいいとこどりです!
また食べ終わったあとは一つにまとめることができるので、コンパクトに収納もできますよ。
商品名:弁当(小判入子・小)
価格:17,600円(税込)
容量:上段 350ml 下段500ml
サイズ:190×90×85mm
3.大館工芸社
引用URL:http://www.magewappa.co.jp/wpomwp/wp-content/uploads/2018/12/3740.jpg
公式HP:http://www.magewappa.co.jp/
梅の花をイメージして作られた見た目もかわいらしい「梅花弁当」。大館工芸社の曲げわっぱはウルタン塗装をしているので、から揚げやチャーハン、ナポリタンなども気にせず入れられます。
商品名:梅花弁当
価格:11,000円(税込)
容量:上段 350ml 下段 450ml
サイズ:125×125×93mm
引用URL:http://www.magewappa.co.jp/wpomwp/wp-content/uploads/2019/02/8250-284×284.jpg
公式HP:http://www.magewappa.co.jp/
こちらも同じく「大館工芸社」で作られている「小判弁当(小)ふき漆」。漆塗りになっているので、とても丈夫なのもポイント。漆特有の色合いが白いごはんを際立たせてくれますよ。
商品名:小判弁当(小)ふき漆
価格:13,200円(税込)
容量:490ml
サイズ:180×110×53mm
曲げわっぱの詰め方のポイント
写真URL:https://www.photo-ac.com/main/detail/2825405
曲げわっぱはほしいけど、SNSで見かけるように上手に詰められるかな……と不安な方にお弁当の詰め方のポイントをご紹介!
最初は慣れないかもしれませんがコツを掴めば上手に詰めることができます。
1.ごはんを詰める
曲げわっぱ弁当箱は深さがあるので、斜めに立てるように置くことを意識しましょう。
ごはんを最初に詰め、それからごはんにおかずを斜め立てかけるように詰めていくと失敗しませんよ。
このときのポイントとして、ごはんの高さにもゆるやかな傾斜をつけておくと、おかずが斜めに立てやすくなります。
2.メインのおかずから詰める
ごはんを土台にしてメインのおかず、小さなおかず(卵焼きなど)、副菜と入れていきます。さらに空いたスペースや彩りが足りないときはミニトマトやブロッコリーなど彩りあるものを入れてみましょう。
もし、高さがないおかずを入れるときは、底に千切りキャベツなどを敷いて高さを出したり、卵焼きなどで重ねて高さを出すなどの工夫をするときれいな盛り付けに見えますよ。
もし時間がないときは、のっけ弁
ほかにも、時間がなくてゆっくり作れない…なんて朝もありますよね。でも曲げわっぱなら大丈夫。ごはんの上におかずをのせる「のっけ弁」なら簡単かつボリューミーで美味しそうに見せてくれますよ。
魚の切り身やお肉などの大きなおかずを大胆に真ん中に置き、まわりに小さなおかずを詰めていくと、インパクトのあるお弁当に仕上がります。のっけ弁の気を付けるポイントとして、下に敷いたごはんが水っぽくならないよう、おかずの汁気はよく切ったり、炒め物は水分をしっかり飛ばすように炒めましょう。
長く大切に使うためのお手入れ方法
写真URL:https://www.photo-ac.com/main/detail/22404376
お手入れの方法は白木の場合と漆塗り・ウレタン塗りの場合で変わってくるので、持っている種類に合わせてお手入れをしましょう。
白木(無塗装)の場合
木が洗剤の水分を吸ってしまうので、洗剤は使わないようにします。食べ終わったあとはぬるま湯に5分ほどつけておき、やわらかいスポンジで洗いましょう。汚れが落ちないときはお湯に10分ほど漬けてから洗ったり、クレンザーで洗うと汚れが落ちやすいですよ。洗ったあとは巾で拭き、しっかり乾燥させるために内側を外に向けて乾かしましょう。
漆塗り・ウレタン塗装の場合
この2種類は洗剤を使って洗っても大丈夫なので、やわらかいスポンジで洗いましょう。洗い終わったあとは、白木と同様、布で拭いて乾燥させます。普通のプラスチックのお弁当箱とあまり変わらないお手入れなので、お手入れに自信が無い方や曲げわっぱを初めて使う方にはおすすめですよ。
まとめ
最近SNSでよく見かける曲げわっぱの弁当箱。今回は伝統工芸品として認められている「大館曲げわっぱ」を中心にご紹介しました。見た目だけじゃなく、ごはんも美味しくなるなんて嬉しいことばかりですね。お腹も心も大満足になる曲げわっぱライフ。ライフスタイルに合わせて自分に合う曲げわっぱをぜひ見つけてみてくださいね。